呼吸器外科

窪倉 浩俊

呼吸器外科 部長

月・火・木 (第3火曜日は休診)

 

当科では原発性肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸など、外科的治療の必要とする胸部・呼吸器系疾患を対象に診察・治療を行っております。

H26年の手術実績は107件、その内訳は原発性肺癌33件、転移性肺腫瘍9件、気胸35件、縦隔・胸壁腫瘍11件、良性腫瘍7件、その他12件でした。
方針として肺癌を含めたほぼ全例に胸腔鏡を併用した低侵襲手術を施行しており、治療成績の向上と生活の質(Quality of Life)重視の両立を図っています。
特に肺癌症例においては、外科、内科、放射線科、病理部の連携が重要であり、当院では定期的に肺癌症例検討会を行うことにより、迅速かつ適切な診断・治療方針を決定、遂行しております。
また、近年肺癌症例の高齢化に伴い肺気腫・閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎(IP)などの呼吸器疾患を合併する手術症例が増加しております。このような症例において、呼吸器内科及び麻酔科と連携し、術前、術中・術後を通してのきめ細かな管理と、胸腔鏡手術(VATS)による低侵襲治療を徹底し、合併症リスクの低減に努めています。この結果、当科における肺癌手術症例の術後平均在院日数は4.7日(H26年)であり、術前も含めて約1週間の入院治療が可能です(糖尿病や抗凝固療法中など術前コントロールの必要な症例は除きます)。
当院の肺癌手術成績(5年生存率)は、IA期(77例)97.4%、IB期(31例)77.4%、IIA期(10例)60.0%、IIB期(9例)77.8%、IIIA期(15例)66.7%でした。(2008年よりの統計であるため、暫定値としてご参考ください)
10~30代の若年者層が大半を占める自然気胸の手術治療(胸腔鏡下肺部分切除術)においては、術後平均在院日数は2.2日(H26年)であり、退院後早期の仕事・学業への復帰を可能としています。
縦隔腫瘍に対しても当科では積極的に胸腔鏡手術を行っており、従来の胸骨正中切開アプローチに比べ、圧倒的に低侵襲である胸骨剣状突起下アプローチによる胸腔鏡下腫瘍摘出術を採用しております。
また入院治療においてはクリニカルパスを導入しており、看護師、薬剤師などのスタッフと連携した治療を心掛け、納得のいく医療、最善の医療を提供できるようスタッフ一同努めております。
(当院は日本呼吸器外科学会より基幹施設に認定されております。)

 

 

 

自然気胸に対する胸腔鏡手術のご紹介

自然気胸とは、肺表面の膜(胸膜といいます)に穴があき、そこから漏出した空気が肺自体を圧迫して肺がしぼんでしまう(肺虚脱)疾患です。
原因は、肺のう胞(胸膜が袋状に膨らんだもの)の穿孔が大半を占めます。男性が8割以上を占め、10代から30代に多い疾患です。この他70代以降の高齢者に多い肺気腫や間質性肺炎など基礎肺疾患に続発する気胸(続発性気胸)も近年増加しております。
私たちは気胸手術症例に対して積極的に胸腔鏡を導入し、早期退院(術後平均在院日数2.2日)と早期就学、就労復帰を可能にしています。また前述の高齢者続発性気胸の症例は呼吸不全を合併していることが多く、呼吸器内科、麻酔科との連携の上入念な術前、術中管理を行い、安全、確実な手術を目指しております(全例胸腔ドレーンは全例1日以内に抜去)。

 

 

 

前縦隔腫瘍に対する剣状突起下アプローチによる胸腔鏡下腫瘍摘出術のご紹介

胸腺腫などの前縦隔腫瘍に対する外科的治療は、前胸部に15~20cmの縦切開をいれ、胸骨(前胸部にある板状の骨)を医療用のこぎりを用いて切離し開胸、腫瘍を摘出します。その後切離した胸骨を金属ワイヤーで閉鎖する「胸骨正中切開アプローチ」が主流です。
しかしながらこのアプローチは創が大きいばかりでなく、胸骨を切離するため、骨断端からの出血、そして術後の疼痛に加え、高齢者や糖尿病症例などは胸骨閉鎖不全、胸骨感染等の合併症のリスクを抱えていました。
これに対し当院では胸骨を切らずに、胸骨下縁(剣状突起下)に3cmほどの横切開をいれ、特殊なアクセスポートと胸腔鏡を用いて縦隔腫瘍を摘出する「剣状突起下アプローチ」による縦隔腫瘍摘出術を行っています。
この術式は創が小さいという美容的面だけでなく、胸骨を切離しないため出血も極めて少なく、また術後疼痛、感染等を含めた合併症のリスク低減に寄与し、速やかな日常生活復帰が可能となります。

 

 

おもな検査内容
肺機能検査

肺活量などを測る検査で中央検査室に依頼して行っています。術前状態や手術の影響などを検査します。

胸部CT

胸部を断層撮影し、肺野や縦隔の構造を詳細に描出します。病変の位置、病変のパターンなどから診断します。来年度よりマルチディテクターCT(MDCT)が導入予定です。このCTは従来のものより画像処理能力がかなり高く、造影・三次元処理で病変を立体的に詳細に把握することが可能で、外来通院で行うことができます。

 

患者様へのご案内

 

所在地・ご連絡先

〒211-8533
神奈川県川崎市中原区小杉町1-396
電話:044-733-5181(代表)
夜間・休日救急:044-733-5181
医療連携室:044-396-8079
地図と交通
休診日:
日曜・祝祭日,
年末年始(12/30〜1/4),
創立記念日:4月15日(当該日が日曜・祝祭日となる場合はその翌日)
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